残念な俺達の青春事情 感想
評価:B+
《ギャグは面白いがシリアスがダメ》
・悪い点
①主人公に違和感
勉強できる。全国模試一位。幼い頃は神童。
人望がある。裏生徒会という組織の代表。裏生徒会のみならず全生徒から慕われている。
盛りすぎ。
ライターが天才じゃないから、天才がどういうものなのか理解がないから、天才かけてないんだよね。
凡夫にしかみえなかった。
なのに天才だ、リーダーだ、すごいやつだ、と持ち上げられて気味が悪い。宗教か?
これで逆に周りがフツーの扱いしてたら僕の見方も変わったと思う。
〝IF〟は今更意味ないけどね
主人公のセリフに一貫性がないからキャラが見えてこない。
ブレブレ。
ライターとしては食えないやつに見せたかったのかもしれない。
でもね、人間っぽくない。
プレイヤー=ユーザーだからここ大事。
パーソナリティくらい確立してよ。
ただでさえエロゲ主人公は立ち絵がないんだから、キャラ定まってないと感情移入とかできない。
②パロネタが多い
個人的には気にならないが一応嫌いな方もいると思う。僕としては仲間内のボケやツッコミがころころ入れ替わる怒涛の漫才のような口撃(会話)は楽しめたし大好きなノリ。
③周回テンポが悪い
ルート分岐が序盤からなので、共通の長い文章をスキップしなければならずだるい。
一応シーンスキップはあるけど、スパンが短すぎて使いづらかった。
・良い点
①親友キャラ
昨今のエロゲはなぜか親友キャラが出てきませんね。
個人的に大好きなんですけどね親友キャラ。
ただ親友キャラ出すなら恋愛方面には絡めないで欲しい。当て馬にするのは主人公からも、親友から見ても得ないと思うんですよね。
閑話休題。
学園ものエロゲでもこの作品のように丁寧で実に羨ましい友達関係を描けているものは珍しい。
特にリアルで友人のいない僕にはとても眩しくて目が潰れた。
友達っていいな、友達がほしい。
②共通ルートは面白かった
上述したようにアップテンポなボケツッコミの応酬も持ち味となっている。
ただアップテンポなだけだと上滑りしてしまうところなんだけど、笑いの間を掌握したライターと素晴らしい演技をしてくれた声優さんは賞賛されるべき。
・個別(キャラでもってるけど総じてシナリオ不足が顕著)
①さくや
CV.あじ秋刀魚。
シナリオはどこかでみたようなやつ。
更にシリアスになると主人公が本当ダメダメ。
しかし、あじ秋刀魚のギャグパートでのキレとデレパートでのかわいさだけでなんとかやり遂げた。
②ちまち
容易に予想できたが、家族に関わるシリアスが始まる。
あーこういうシナリオ2000年代よく見たなーと。
しっかしこのゲーム本当シリアスに入るとダメダメ。
内容は重いのに、踏み込んでいないというのかシリアスを書き切れていない。
シリアスなのに浅い。
ちまちちゃんのウィスパーボイスは癒し。
こんな後輩いたらどちゃくそかわいがる自信ある。
むしろ自信しかないまである。
③なつめ
さくやがなんでも言い合える同級生(悪友)。
ちまちちゃんがしっかり者後輩。
そして、この方はダメダメポンコツ先輩(お姉ちゃん)。
もう痒いところに手が届くどころか、孫の手標準装備か!
基本的にダメかわいいのに主人公がダメさ出すとしっかり先輩なところも最高にお姉ちゃんって感じでした。
あー二次元のお姉ちゃんっていいなぁ(遠い目)
④りんね
ツッコミがうまい。
もうめちゃうま。
ツッコミってツッコム内容とかじゃなくて間とか勢いとかの方が大事なんだけど絶妙。
上原あおいさんの怒鳴る感じの演技って若手声優の中でダントツだと思う。
キャラとの一体感すごいし久しぶりに声優さんすげえと改めて思いました。
・まとめ
ギャグが面白くて、シリアスがダメ、それでいてキャラはかわいい。
もうキャラゲー作ればいいんじゃね?
体験版が面白かっただけに残念。
個別入ってからキャラの魅力だけでつまらない話読む作業は辛かった。
非公式生徒会ってところが作品独自の強みだと思うけど弱い。
キャラ設定がよくて頭一つ抜けてるだけで良作からは踏み出せない。
チュアブルソフトは2本目の購入だったが、シナリオが毎回残念でもう手を出すことはないと思う