狡兎死して走狗烹らる

あとなき(@atnk0)のエロゲ感想ブログ

花咲ワークスプリング 感想

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評価:A−
《友とはなにか、仲間とはなにか》

 

 
 

・悪い点

 
シナリオ
がんばってはいたんだけどもう一息
青臭さとシナリオのチープさ
序破急起承転結をしっかり意識して欲しい。
ぼくとしてはもうキャラゲーでいこうって感じ
 
 
 

・良い点

 
OPがすごくよかった
すごく気に入って体験版が出た頃からコンプするまで何度も何度も聴きました。
サントラにOPのフルが入っていたので、普段サントラ未開封のぼくも、今回はサントラ聴いてます。
 
サブキャラルート
今まで魅力的なサブキャラを出しつつもFDやルート救済なしで何度も涙をのんできた。
ようやく報われた瞬間であった。
 
仲間との関係
『主人公とヒロイン』に仲間を加えるのがすごくうまい。
この調子で主人公とヒロインのシリアスもがんばってもらいたい。
 
 
 

・個別

 
ヒカリ
 
幽霊部の後輩で唯一の良心。
主人公に告白し振られたあとに入部してくる意外にしたたかな子。
個人的に一番好きなシナリオ。
正直やっているとき叩く気満々だったんですけど、
 
後半でドンデン返し
 
このシナリオアプローチはわりと斬新だなーと思います。
なんだそういうことか、と。
二週目でヒカリをもう一度見直しながらやりたくなりました。
前半のよく分からなさからくるフラストレーション
混線して硬く結びついてしまった結び目のようなものが、後半で紐解けてからは物語に引き込まれた。
そして、ヒカリちゃんに惹かれていきました。
良妻賢母タイプだしお嫁さんにしたい。
また周りの仲間や互いの家族が二人のことをよく考え大切に思い見守っている姿勢には好感が持てましたね。
すごい好きなお話だったんだけど少し気になったのがシリアスの導入。
ちょっと唐突すぎると感じた。
脈絡というか序破急意識してくれればスッとお話入ってきてもっと良くなったと思う。
 
ヒカリちゃんかわいすぎるし遠野そよぎだし一生見守っていきたいんだよなぁ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
え?なんだって?
 
 
 
 
若葉
前の学校からの親友。
シナリオ自体は平凡な長年の親友という関係からお互い意識し始める過程をニヤニヤしながら楽しむもの。
否定してるわけではなくてこれはこれで王道ですごくよかったです。
付き合ったあとは謎のお嬢様ごっこがはじまってなんだこれ…って思いましたね。
ヒカリルートも思ったけど起承転結なんだよな。
個別わりと短いから難しいとは思うけどもう少しわかりやすくかけてればもっといいお話だった。
思春期によくあるアイデンティティの揺らぎのような
シナリオアプローチ自体はよくある悩みみたいなもので、うまく書けてたら共感できたと思うだけにちょっとだけ残念。
面白いし題材としてはよかったんだけど、
でも、なんかこう情緒不安定みたいになってからね。
それからこのルート幽霊部とか未練とかまったく関係なかったね。
特筆すべきはルートで終始、周りの人間が二人を尊重しながらもフォローし見守って行く温かい気持ちになれるお話だったこと。
 
途中フワフワしてたけどバカップルキャッチボール最高だった。
 
 
 
 
彩乃
留年おばさん。
幽霊部の創部者であり、主人公を部に引き込む。
今までのルートとは違い未練、幽霊部と密接に関わってくるルート。伏線っぽいのがあれやこれや回収されつつあって先が気になるいいストーリーでした。祈を筆頭にあやのの未練を解消していくために周りががんばるお話。主人公はだいぶ踊らせられていたような気もしますが主人公はあやののために、あやのは主人公のために、周りは二人のために動いていてこれまた温かった。
キャラとしてあやのはかわいかったんだけど最後までぼく自身がデレることはなかった。
個人的には合わない子だった。
お話はすごくよかったし、あやのはかわいいんだけどね!
こればっかりは趣向なのでしょうがない。
 CV.森谷実園ヒロインってなんでこう賑やかし側に回ってたほうがかわいいんだろうね
 
 
 
主人公の親友だった男の妹。
体験入学中の一応同級生。
ハリネズミのジレンマというか、触るものみな傷つける祈ちゃん。
ヒステリー起こすし、主人公を好きだと自覚しながらも遠ざけたり、自分の意にそぐわない発言をすると癇癪を起こす子どもそのもの。
いくらかわいくても性格に難ありすぎましたね。
外見なんて劣化するからずっとこれからもともに歩むのは修羅の道だぞ主人公よ…
このかわいさでCV.遥そらだけに本当にもったいないなと思いました。
 
 
 
柑南(かんな)
若葉の付き人。
共通はもちろんのこと、若葉ルートの柑南はすごくいい従者で好きになりました。
常に若葉を肯定し、徹頭徹尾、味方でいる在り方は友達としてすごく好感が持てました。
それは個別ルートに入っても変わらずでした。
ただ今回の個別のシナリオはいかがなものでしょうか。
柑南の最初に望んだ道はそれほど否定されるようなものだったでしょうか?
主人公や若葉が柑南には、こうであってほしいというエゴの押しつけだったと感じました。
このルートのシナリオ展開に関しては本当に気持ち悪かったです。
 
 
 
 
ののか
義妹
この2行ですべて伝わったと思う。
 
そうこれは最早レジェンドでありデスティニーである。
総てはこの刹那の刻のために存在していた。
今この瞬間ですら彼女のための布石に過ぎない。
さあ、欲せよ!
伸るか反るか
泡沫の幻なれど悠久の幸福がそこにある。
 
 
 
 
 

まとめ

 
ヒロインと主人公だけの関係だけではなく人間関係という輪が広がりよく繋がっていて恋人だけではない『仲間』や『家族』というものの良さが出ているのが、今作『花咲ワークスプリング』の強味ではないかと思います。
 
トラ美かわいすぎるし猫飼いたくなりましたね。猫カフェ行く気持ちがやっとわかりました。まあ人語喋る猫なんていないだろうけど。
 
あとアクター。ホモやロリコン特殊性癖の親友はいいヤツな法則。まあ彼は熟女好きなわけですが。ノリのいい爽やかイケメンで性格まで良いとかちょっと羨ましすぎますね。はーなんでぼくには友達いないんだろ…。
 
権田橋くんは仕分け委員会委員長とあいう部活の監査的な立場のキャラなんですが、キャラは立ってるし筋は通すし人格者だしすごく好きなキャラでしたね。初めは幽霊部と敵対関係にあったはずなんですがすぐに守る側の立場に。理想の上司って感じで友達や仲間とは少し違うかもですがこういうキャラもすごくいい。本当に高校生なの彼…
 
共通ルートは9割5分体験版に収録されているので攻略したいヒロインがいたら買いです。
 
たくさんの周りの人物に支えられながら花咲ワークスプリングが成り立っていて
 
『あー、やっぱり学園モノっていいなあ』
 
と再認識できる作品でした。